帝京高校吹奏楽部〜Teikyo Jazz Orchestra Swinging Honey Bees〜

部活内での進路指導

自習勉強会の一コマ。

本校吹奏楽部は成績規定に伴い赤点を多数とってしまった生徒、自分なりに成績が下がって不安を感じている生徒には勉強指導を行っています。そのやり方は様々ですが、中間考査後は部活活動中に通称「みちこの部屋」「なおみの部屋」なる自習勉強会が開かれ、期末考査後は休暇中の宿題チェック及び休み期間中、学校で行う講習参加必須という流れになっています。

部活動内で勉強指導をするようになってから恒例となった習熟度別夏休み英単語テストは、成績に問わず部員全員で行います。夏休みの部活での昼は英単語テストの後に合奏、分奏へと行動していくのが習慣となりました。この英単語テストは各学年授業で実際に使用している旺文社出版「ターゲット1400」(1年生)「ターゲット1900」(2,3年生)より抜粋して出題しており、3年生の受験対策だけでなく、2学期からの授業対策にも役立っているようです。

受験方式

受験方式は帝京大学無試験入学、AO入試、指定校推薦、公募制推薦、一般試験というように、現在は様々です。個々の学力や将来自分が進むべき進路に合わせ、志望校や受験方式を選びます。それに合わせた進路指導を行います。

AO・公募制推薦の試験内容は各大学により様々ですが、面接、小論文などを課す大学がほとんどです。受験時期は夏から11月までにかけての大学が多いため夏休みはまさに試験準備の大詰めとなるわけです。部活を引退しないで両立をやりきるのが本校吹奏楽部のやり方です。さらに、3年バンドは秋のステラジャムでは勝負をかける!!というのがスローガンであることが多いため、夏休みには部活が始まる前の早朝や部活動の合間に職員室で国語教員から論文指導を受ける生徒や、担任、教科担当と面接や口頭試問の練習をしている生徒もいます。また、当日の面接ではほとんどの生徒がJAZZをやっている部活について、部活動で行った様々な場所での経験などを聞かれたようで、楽しかった思い出を話しているうちに面接が終わってしまうこともあるようです。
部活を通してコミュニケーション能力を習得していく事、数多くの演奏会に出演させて頂きながらその中でたくさんの方々から支援されていることのありがたさを感じていく事、緊張する中で実力を出していく事、部活の運営や選曲などのミーティングを通して自分の意見を積極的に話す力を身につけていく事、これらの一つ一つの事柄がAO・公募制推薦合格を導いているように思えます。

人の力をつけるJAZZ

JAZZは楽しみながら己を成長させてくれる音楽です。指揮者がいない演奏、1人1パートの演奏曲、ロングソロ、アドリブ演奏、数多い曲数、そして本校では応援時の楽器との持ち替えなどかなりハードなことではありますが、生徒たちは実に楽しみながらこの一つ一つと真剣に向き合いながらたくさんの事にチャレンジしていきます。
この力が勉強との両立力、そして自分の実力以上の事に臨んでいくチャレンジ精神を養っていきました。こうして「上位大学でも学びたいことがあればチャレンジしていく」と推薦や指定校がなかった大学を一般試験にて受験する生徒もいます。結果として浪人という選択肢をとることもありますが、「自分の将来を決める大事な進路だから妥協したくない」と翌年の入試には希望通りの結果を出しています。

伊藤美千子